吉光堂はり灸院

〒359-0038

埼玉県所沢市北秋津708-86
TEL:04-2996-0998

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はり灸の考え方もくじ

(1)WHO(世界保健機構)の認めるはり灸治療が適応である疾患

神経系疾患 神経痛・神経麻痺・痙攣・脳卒中後遺症・自律神経失調症・頭痛・めまい・不眠・神経症・ノイローゼ・ヒステリー
運動器系疾患

関節炎・リウマチ・頚肩腕症候群・五十肩・腱鞘炎・腰痛・外傷の後遺症(骨折・打撲・むちうち・捻挫)

循環器系疾患 心臓神経症・動脈硬化症・高血圧・低血圧症・動悸・息切れ
呼吸器系疾患 気管支炎・喘息・風邪および予防
消化器系疾患 胃腸病(胃炎・消化不良・胃下垂・胃酸過多・下痢・便秘)・胆嚢炎・肝機能障害・肝炎・胃十二指腸潰瘍・痔疾
代謝・内分秘系疾患 バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気・貧血
生殖・泌尿器系疾患 膀胱炎・尿道炎・性機能障害・尿閉・腎炎・前立腺肥大・陰萎
婦人科系疾患 更年期障害・乳腺炎・白帯下・生理痛・月経不順・冷え症・血の道・不妊
耳鼻咽喉科系疾患 中耳炎・耳鳴・難聴・メニエル氏病・鼻出血・鼻炎・ちくのう・咽喉頭炎・へんとう炎
眼科系疾患 眼精疲労・仮性近視・結膜炎・疲れ目・かすみ目・ものもらい
小児科疾患 小児神経症(夜泣き・かんむし・夜驚・消化不良・偏食・食欲不振・不眠)・小児喘息・アレルギー性湿疹・耳下腺炎・夜尿症・虚弱体質の改善

(2)東洋医学の特徴は

東洋医学は西洋医学と概念が違います。まず、人の体には12の経絡という流れがあると考えられています。
そして経絡の中を巡る気血の流れが滞る(気の巡り、血の巡りが悪くなる)と病気になると考えます。
どこの巡りが悪くなってどの病気が発症するのかを見るために、脉診、腹診、問診を参考にしながら治療方針(『証』と言います)を決め患者さんによってツボを使い分けていきます。

ツボとは、独立し存在するものではなく、経絡という気血の流れに沿って存在し、体の内部をめぐる経絡と外界との接点を示します。
西洋医学でいう神経や血管とは違う概念です。目には見えませんが実際に治療をしていると身体で感じるものです。
たとえば、腰に治療をしていると、局所だけでなく自然に足が暖まる。足のツボに鍼をしているのに肩が軽くなったりなど、患者さんの方で実感されるものです。

 

~「痛み」を例に 西洋医学と東洋医学の考え方の違い

西洋医学では痛みのもとの神経を抑えるという働きを考えます。よって治療は、鎮痛剤や注射で神経に抑える、神経をブロックする、というようにその部位に働きかけることになります。

東洋医学(はり灸)では、「患部」ではなく、痛みにどこの経絡の流れが関わっているかを診ます。
痛みを起こしている元はどこか、それを抑えるツボはどこかを探します。そして、ツボを通して自然治癒力を高め、その結果痛みを軽減させます。

(3)虚と実 補法と瀉法

 補法とは身体に足りないものを補う方法。

 瀉法とは余分なものを取り去る方法。

東洋医学では、外から体内に入った余分なもの(外邪)の原因を大きく次のように5つに分けています。これらはそれぞれ治療方針が異なりますので、それぞれの外邪を取り除くのに合ったツボを使い分け、「余分なもの」を取り去ることが必要です。

 

湿邪・風邪・暑邪・寒邪・燥邪

 

身体が弱っている(不足している)状態を『虚』と言います。虚に対しては、補います(補法)。

外邪に侵された時には補法とは逆に外邪という余分なものを取り去る治療を行います(瀉法)。

補うか、取り去るかで、治療法は変わりますが、現在は『虚』を優先させ、虚を補った後、瀉する治療を行っています。

西洋医学では病名に対して薬を処方しますが、東洋医学では病名ではなく「証(一人一人の治療方針)」によってはりや灸をツボに働かせます。

(4)五臓六腑 陰と陽

東洋医学では五臓六腑の五臓は陰、六腑は陽という考え方をします。
心は小腸と、脾は胃と陰陽をなしています。

   
五臓 命門
六腑 小腸 大腸 膀胱 三焦

肺ガンの人に大腸ガンの併発が見られるのは、肺(陰)に対する陽が大腸だからです。

治療は先ず、五臓(肝、心、脾、肺、腎)にしたがって証(脉診・腹診・問診から身体の状態を判断すること)をとっていきます。
現在は、補法(足らないものを補う方法)を中心に、瀉法をするにしても最初に補った後に行うという考え方です。
肝虚証、肺虚証、などの虚にしたがって診てゆくことで、患者さんの体質に合った治療方針を探し出して体質の強化を図ることができるのです。


例えば、身体が充実(虚でない)していればインフルエンザが流行っても簡単には罹らないものです。
抵抗力が落ちているからインフルエンザに罹りやすくなり熱が出たりするのです。
ですので、最初に抵抗力が落ちている部分(虚)を補う治療(補法)をし、ある程度充実させておいてから、発熱を抑えるために瀉します。

風邪をひいている方で便秘を起こしている方も多いのですが、それは「肺が虚して大腸が実している場合」です。虚に対して実(じつ)は陰陽の考えです。
この場合、大腸を瀉すことによって、風邪の症状が取れ便秘も治ります。また、大腸の経絡は喉や鼻を巡っていますので、喉や鼻の症状も一緒に取れます。
煙草を吸っている方に大腸ガンが多いのはこの関係のためでもあります。

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