野村克也さんがお亡くなりになりました。野村さんはプロ野球選手として監督として華々しい経歴をお持ちの方でした。野村さんに限らずその道で成功された方は過去には多くの失敗や挫折を経験し、それを乗り越えられた方だと思います。野村さんはこれまでの生きざまを振り返り、私たちに生きるヒントを残してくれました。数々の名語録の中で私が肝に銘じている言葉の一つに「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし」という言葉があります。
この言葉を治療に携わっている者に置き換えて「治るに不思議の治るあり。治らないに不思議の治らないなし」と理解しています。治療をしていますと症状が重く「治るのには相当時間がかかるのであろう」と思っていた方が比較的早期に良くなることがあります。皆様からは「先生のおかげで・・」というお言葉を頂きますが、私が治したというよりも患者さんの治癒力に助けられたと思っています。
患者さんによっては中々経過の思わしくない方もおります。治療家の中には患者さんのせいにする方も見受けられますが、私は野村さんの言葉を思い出しながら素直に「自分の技量が足りないのだ」と反省しています。
これからも野村さんの言葉を思い出しながら日々精進したいと思います。皆様も治ることを諦めず期待を込めて治療にいらしてください。新聞記事は日本経済新聞より転載させていただきました。最後に野村さんのご冥福をお祈り申し上げます。