先日認知症の講演を聞きました。講師は埼玉県川越市にある山口病院の精神科部長、奥平智之先生でした。奥平先生のお父様は鍼灸師として著名な奥平明観先生で、お父様の影響を受けて東洋医学にも造詣の深い方です。山口病院は食事療法を中心に極力薬に頼らない方法で患者さんの治療に当たられています。
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話の中で皆様が一番興味を持たれるのは「加齢に伴うもの忘れと認知症のもの忘れの違いは?」ではないかと思いました。もの忘れを自覚している方は認知症ではありません。認知症の方はもの忘れの自覚に乏しく、探し物も「誰かが取った」と言い張ります。また、悪気もなく勝手に作り話をするようになります。
つまり「最近忘れっぽくなったけど認知症になるのかしら?」と言っているあなたは自覚しているので大丈夫なわけです。
認知症には①アルツハイマー型②レビー小体型③前頭側頭葉型(ピック病含む)④脳血管性の四種類に大別されます。アルツハイマー型は全体の55%を占め、他の三つと違い見た目では正常にしか見えないので見落とされやすいのが特長です。アルツハイマー型は「その場を取り繕う」という特長があります。例えば「今日は何日ですか?」と聞くと正直に「わかりません」と答えず「この歳になったら日にちは関係ないから」とか「今日は新聞を読んでこなかったから」などと言い訳を考えてしまいます。
認知症の過半数を占めるアルツハイマー型は糖尿病がハイリスクと言われています。つまりインスリンを増やさない生活を送ることが大切です。そのためにも①運動して筋肉の量を増やす②三食蛋白質を摂り、炭水化物を摂りすぎないようにして内臓脂肪を減らすことが必要です。そして代謝を常に高めておくためにも定期的に鍼灸治療を受けて戴く事をお勧めします。