はり灸は、子どもの身体によく効きます
大人と子供は身体がちがいます。
はり灸の世界では、子供の身体は未成熟な状態で、男の子は8の倍数、女の子は7の倍数で変化するという考え方をとっています。例えば男の子は8歳までが子供の身体、女の子は7歳までが子供の身体です。子供から大人の身体へと変化していく移行期は、男の子は9歳からだいたい16歳の間、女の子は8歳から14歳の間です。男の子は16歳で性徴が起こり、女の子はだいたい14歳で初潮が起こります。
そのように8の倍数、7の倍数で変わっていくと考えられています。
子どもは大人よりもはり灸の効果が高い ~子どもには「撫でる」「さする」治療を
男の子の8歳、女の子の7歳までは未成熟なので、ツボの存在があいまいなのです。大人の治療ですと、ツボに対して鍼を施しますが、子供の場合、ツボはあいまいですが経絡がだいたい出来上がっていますので、経絡という流れに対して、小児鍼という子供用のはりを使って、撫でる、さする、という方法をとります。子供は大人より感受性が強いので、気血の巡りが早い。なので、 大人に比べ新陳代謝が旺盛なので少ない治療量で治療効果が早く現れます。
子どもの風邪や下痢などに ~すぐに治療すれば一回で治る
初めから病院には行かず、鍼灸治療に来られるお子さんも多くいらっしゃいます。
聞けば、 子供さん自身が「具合が悪いから鍼へ行きたい」と訴えるそうです。
風邪の引き始めやちょっとお腹の調子を壊したというときは、すぐに来院してくだされば、大抵1回の治療で治ります。
待合室でお待ちの方が、ぐったりしてやってきたお子さんが治療を終えて飛び跳ねるように出て来る様子を見て驚かれる光景を目にします。
それほど、はり灸は大人より子どものほうが効果が大きく早く現れます。
先の丸い鍼
移行期(男子9歳~16歳、女子8歳~14歳)は、てい鍼(先の丸い刺さない鍼)でツボに触れるくらいの治療で大きな効果を出すことができます。
はり灸は子どもの中耳炎に効果てきめん ~子どもの頃の私を治療したかった
中耳炎でおいでになるお子さんがおられるのですが、初期ならば1回~2回の治療で良く治ります。
中耳炎は繰り返すことが多いのですが、はり灸で治療をすると繰り返しません。
私自身、子どもの頃に何度も中耳炎に掛かり夜中に痛い思いをし、次の日に病院へ行くということを何度も繰り返しました。
いま、治療をしていると、当時を思い出して自分自身を治療してやりたかったと思うことしきりです。
通院してきた子どもたちに「君は幸せなんだよ、痛くないでしょ」と当時の自分を思い出しながら、頭をなで撫で、治療をしている次第です。
アレルギー性の症状 ~アトピー、喘息をじっくり治す
現在は、アトピー性皮膚炎、喘息等アレルギー性の子供の病気が増えています。これらに対してもはり灸は高い効果を発揮します。はり灸は子供の急性的な痛みや苦痛を取り去ることと同様に、慢性的な症状がひどくならず少しずつ改善されるよう予防的な利用に効果があります。発症を繰り返している症状がある場合は、それを取り去ったあと、定期的に通院されることで、徐々に体質を改善し、症状の出ないからだになることができます。